【3歳児健診の視力検査】うまくできない!ひっかかったらすべきこと 

検査できない 眼の事

3歳児健診は視力検査をおこなう地域がほとんどですが、自宅にキットが送られてきたけど全くできない・健診会場でも全くできない・ひっかかってしまったけど大丈夫なのか、などと心配する人も多くいます。

そこでここでは検査がうまくできず、ひっかかった時にどうしたら良いかについて解説します。

自宅での視力の測り方のポイントから、検査できずに引っかかったとしても慌てず冷静にどうしたら良いかがわかりますのでぜひ読んでみてください。

現在約15年目の現役視能訓練士です。

眼科で検査をおこなうための国家資格を保有しています。

自身の子供も3歳児健診全くできませんでしたし、できなかったお子さんもたくさん眼科に来ますので、その時に相談される話などを踏まえてお話しします。

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3歳児健診で視力を測定する理由

まだうまく話せないようなこんな小さな子どもが視力検査なんて本当にできるの?と感じる方が多くいますが、3歳児健診で絶対に視力検査は必要です。

それは

  • 弱視や斜視を見つけるため

でもあります。これについて以下に詳しく解説します。

弱視や斜視を見つける

生活している中で「あれ?この子見えてないのかな・・?」と感じることもありますが、ほとんどの場合は見えていなくてもそのことに気づけないので健診の機会を設けて眼の状態を確認する必要があります。眼の状態は医師が診察をおこなうだけでなく、視力検査も大切な診断材料なので必ずおこないます。

治療は開始年齢が早いほど効果的

ではなぜ3歳児健診で弱視や斜視を見つける必要があるのでしょうか?

それは治療の開始年齢が早いほど治療効果があるからです。

ただし、3歳より小さいと検査結果も信頼性が低いこともありますので「3歳」が一番ベストなタイミングです。治療は3歳頃に開始することが望ましく、どんなに遅くても6歳には始めなければ効果は期待できなくなります。ただし「治療開始は6歳くらいまで平気」とは言えず、効果は3歳~4歳頃をピークに後は効果がどんどん期待が薄くなっていくので、3歳児健診で弱視や斜視の有無を確認しておきたいのです。

小学生になって初めて眼科来て弱視だとわかると大慌てです。

治療効果もどこまで出るかわからないことをお伝えしつつ大急ぎで治療を開始しますが、心の中では3歳児健診でなんでひっかからなかったの?!と思います。。

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自宅や健診会場で視力検査できないけど大丈夫?

自宅に視力検査キットが送られてきても全然検査できないし、健診会場でもできる気がしない・・そんな状況でも大丈夫です。

何回かチャレンジしてみて難しければOK

もし自宅に視力検査キットが届いている場合、ひとまず何回かチャレンジはしてみてください。

子供がやり方がわからないので何もできない可能性もあり、何回か繰り返すことでできることもあります。でも必死になって追い詰めるくらいにならなくても、「検査難しかったです」と健診時に伝えれば問題ありません。

眼科に再検査しに行くことになる

自宅でも健診会場でも視力検査ができない場合は、念のため眼科へいくよう言われることがあります。

「まだ検査できないだろう」と思わず、眼科に足を運んでみてください。眼科の方が健診会場と違って時間取って検査することができますし、検査員もプロです。何も問題ないことがわかればそれで安心なので、時間見つけて眼科へ行きましょう。

健診会場では、保健師さんや看護師さんがいることが多く、眼科検査専門の者がいることはあまりありません。

時間も限られている上、眼科検査専門でない者が検査するのでできない子がいてもおかしくありません。

わが子は自宅で検査全くできず、健診センターでは「再度自宅で検査して結果を連絡して下さね」と言われました。

眼科行った方が早いなと思い、3歳半になるかならないかくらいで眼科で検査してもらったらばっちり1.0が見えました。

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視力検査のこつ~自宅編~

できないものは仕方がありませんが、少しだけ視力検査のこつをお伝えします。

両眼から片眼

いきなり片方の目を隠すのを嫌がる子どももいます。なので最初は両眼で見て検査はこんな感じだよと理解させるところから始めます。

片眼に弱視がある場合は片眼を隠すことでかなりの嫌悪感を抱きますので、どちらかの眼を隠すと頑なに嫌がることがあれば健診時に伝えてみてください。

近くの距離からやってみる

指定された距離での検査ができれば望ましいですが、最初は絵本を読むような距離で検査を始めて少しづつ離れてみるとできることもあります。

子どもの視力は近くから育っていくので遠くより近くのものを見る方が良い結果が出ることもあります。

大きい指標でもOK

視力検査は指標の大きさと距離によって視力値が出されますが、最初から厳密におこなわず大きい視標から始めても問題ありません。やっていくうちに検査方法を理解して小さい視標にして見えることがあります。

指定された条件下でなく、上記の方法でどうにかできたら問題なしというわけではないので、健診時に検査の状況は伝えてください。

上記の方法で初めてみて、結果指定された条件下で検査ができることが望ましいです。

視力検査できないのは見えていないの?

視力検査できなかった場合「うちの子、見えてないの?」と心配になることもありますが、必ずしも見えていないから検査ができないというわけではありません。

まだ理解ができていない可能性

3歳なので、理解できるかといった発達の個人差はとても大きいです。

視力検査の理解ができていない場合には、自覚的な返答だけを頼りに診断せず他覚的な検査結果も合わせて判断します。

視力もまだ発達段階

視力も発達の事を考慮すると、3歳は0.7~1.0くらいが見えているはずだという見解があります。0.7だと弱視だと考えられがちですが、まだ発達段階なのか弱視なのか難しいところなのでこれも他覚的な検査結果が必要になります。

何か疾患が隠れている可能性

もちろん弱視や斜視が隠れていることで検査ができないということもあります。

検査できないという事が一概には「理解できていないのだろう」と言えないので、「見えていないかも」と頭の隅にかすめておくことも必要です。

まだ検査理解ができていないだろうと思わず、3歳児健診の段階で検査ができない場合は一度眼科に行くことをお勧めします。

結果見えていれば「良かった!」と安心にもつながります。

見えていない・健診ひっかかっても慌てずに!

検査でひっかかると心配になりますが、これは早期発見が目的なのでむしろ早くに発見できて良かった場合も多くあります。慌てずにまずは眼科に受診してみてください。

必ずしも疾患をかかえているわけではない

何度もお伝えしたように、3歳は個人差が大きく検査の理解が難しい場合もあります。

視力検査は自覚的な答え方を頼りに検査していますので、他覚的に検査して本当に弱視や斜視があるかを調べる必要があります。

弱視や斜視が見つかったら早急に治療を開始

もし眼科受診をして弱視や斜視が見つかった場合は、すみやかに治療を開始することをお勧めします。

もちろん診察では治療しない選択肢はありませんが、治療はご両親の協力がない限り成功しません。ただ眼科に通っていれば良いのではなく、普段の生活からご両親の管理が必要となります。

ただ、ここでも慌てる必要はなく早期発見できて良かったわけなので、診察時に治療予後の話も聞きつつ治療をしていきましょう。

弱視についての記事も書いています

眼科選びも大切

実はどこの眼科行っても同じ対応をしてくれるとは言い切れません。

医師にも小児眼科を得意とする人もいれば苦手と感じる人もいますし、眼科検査員が視能訓練士であれば知識はありますが人によって技術はピンキリです。

まず最初は通える範囲内の小児眼科もできるとうたっている眼科に足を運び、もし合わないと感じたら違う眼科へと変えることも検討して良いでしょう。

まとめ

3歳児健診で視力検査できない・ひっかかったなどで心配している時にすべきことについてまとめました。

慌てる必要はありませんが、なるべく早めに眼科受診して今後の指示をよく聞いてみてくださいね。

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