最近、つみたてNISAの影響もあってか「投資信託」という言葉をよく耳にするようになりました。ですが投資信託について実はいまいちよくわからない方も多くいるのが現実です。
そこでここでは投資信託について、仕組みからメリットデメリットなど詳しく説明します。なるべくわかりやすく仕組みを解説していきますのでぜひ最後まで読んでみてください。
投資信託について理解できるとつみたてNISAはもちろん、資産形成の第一歩を踏み出せます。ここで理解して将来の蓄えをしっかり確保しましょう。
【自己紹介】
コロナが広まり始めた2020年の初めころにつみたてNISAを始めました。
最初は初めて聞く言葉に戸惑いを隠せず必死に調べてどうにかつみたてNISAを始められました。
その後はNISA以外にも投資信託への投資を増やし資産形成に励んでいます。
投資信託の仕組み
投資信託とは「投資家(私たち)から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が、株式や債券などに投資・運用し、その運用の成果として生まれた利益を投資家に還元するという金融商品」の事です。
私たちが投資信託という金融商品にお金を投資し、それを投資のプロが運用してくれて、それで得た利益を私たちに還元してくれる、つまり私たちはお金を投資したあとは利益を待つのみです。運用のプロにお任せできるなんてとてもありがたいですね。
知識のない人にとって、どこに投資してよいのかわからず、なんとなく人気があるから自分も投資してみるかと安易な考えで投資したら大損をしてしまった・・そんな心配があって投資を始められない人も、投資信託は安心して始められる投資方法です。
投資信託の仕組み①投資家からお金を集める
例えば1人では1万円しか出せなくても、1万円出せる人が100人いたら全部で100万円の資金が集まります。「ここの専門家が運用している金融商品を信頼するのでお金を投資する」という人が多く集まれば集まるほど資金は集まり、膨大な運用ができて利益も大きく生まれます。それぞれの専門家が運用する金融商品は約6000種類あるので、私たちはまずどの金融商品に投資するかを決めます。
投資信託の仕組み②専門家が投資・運用する
たくさんの投資家が資金を差し出してくれたので、運用の専門家はここで力を発揮させます。
できるだけ利益を生み出せるように工夫して運用してくれるので、私たち投資家は祈るように待つのみです。
投資信託の仕組み③得られた利益は投資額に応じて投資家に分配
世の中の契機にも左右されますが、運用の専門家がどうにかこうにか動いてくれたおかげで利益が生まれるときがきます。
そのタイミングで投資した分のお金を売却し、私たちのお金で運用させて出た利益分も合わせて分配してくれます。
投資信託のメリット
投資信託を始めるメリットは4つ挙げられますので1つずつ見ていきましょう。
少額から投資可能、毎月積み立てるも可能
投資と聞くとまとまった金額が必要なイメージがあるかと思いますが証券会社によっては100円などといった少額から始めることができます。
投資信託は資金に余裕がある時に投資しても構いませんし、自動的に毎月決めた日に投資すること【積立投資】という方法でおこなうこともできます。積立投資はリスクを減らせる投資方法で、ドルコスト平均法・定額購入法と言われたりします。
運用はプロにおまかせ
お金を投資をするだけであとの運用はプロにおまかせです。専門家が運用してくれるので、知識がなくても資産運用できるのは大きなメリットです。
分散投資でリスク軽減
投資信託は専門家がいろんな投資先に分散させて投資するのが一般的です。
個々で投資をおこなうとなると、少額の金額で分散させて投資することは難しいです。分散して投資をおこなうと一つの企業が下落しても他が問題なければ大きな下落にはならず、むしろ利益が得られることもあるので分散投資はリスクを軽減させます。
個人では買いにくい商品も買える
また自分では投資しにくい国や地域、資産に投資できるのもメリットです。
例えば「google」が今後成長しそうだから投資してみたいなと思っても1株20万円以上しますので気軽には投資できません。ですが投資先の一つに「google」が含まれている投資信託を選んで投資すると、投資信託を通して「google」に投資できたことになります。
投資信託のデメリット
メリットの多い投資信託ですが、デメリットもあるのでしっかり把握しておきましょう。
手数料がかかる
信託報酬と言って、投資のプロに運用してもらう分保有している間は運用・管理費として手数料がかかります。
投資信託の商品ごとに手数料は違い、投資額の0.1~0.3%などと商品によって様々です。投資信託は長期的に積み立てて保有することで利益になりますので、長期的に手数料を払うことも考慮してなるべく抑えたいところです。
元本保証がない
投資信託も投資なので経済状況によっては大きく下落して元本割れの可能性もあることは忘れてはいけません。
ただし基本的には長期的に見ると経済が大きく下落したとしても数年したら戻ったりすることがほとんどです。下落が起こっても焦らずに地道に投資し続け、数年後の利益が出るのを待ちましょう。
金融商品(銘柄)の種類
投資信託を始めるにはどの投資先の商品(銘柄)に投資するか選ぶ必要がありますが、まずはどんな投資信託があるか確認しましょう。
インデックスかアクティブか
インデックスとは株価指数(インデックス)通りの運用を目指す金融商品です。値動きがシンプルでわかりやすく初心者には最適ですが大きな利益は出しにくいです。アクティブとはインデックスを上回る利益を狙えるが、リスクや手数料が高いので注意が必要です。
株式か債券か
金融商品が株式のみに分散しているか、株式・債券にも幅広く分散して運用しているかをみてみます。
株式も債券も「企業に投資しお金を貸し、得られた利益の還元」という点では同じですが、株式は元本保証がなく債券は満期で元本保証され返ってきます。そのかわり株式は成長した分利益を還元してくれますが、債券は元本保証されている分株式に比べて利益は少ないのでリスクとリターンを考慮して選択すると良いでしょう。
国内か国外か
金融商品の投資先が日本国内のみか、アメリカのみか、先進国へかとどこへ投資しているかも確認します。経済発展を見込める所に投資していると利益も大きくなりますので将来も見据えて選ぶと良いです。
金融商品(銘柄)の特徴
それぞれの金融商品を比較する際には以下の内容をよく確認して選ぶと失敗がありません。
運用コスト
先ほどデメリットであげた手数料について、投資信託で利益を出すためには運用コスト(手数料)を抑えることも重要です。長期運用が基本なので手数料はできるだけ抑えた方が良いでしょう。
運用成績
その金融商品が過去の運用でどれだけ利益をあげたかについてはトータルリターンを見るとわかります。
基本的にはトータルリターンが高い方が良い銘柄だと言えますが、どの期間でのリターンが出ているのかしっかり確認する必要があります。1年間でのトータルリターンと5年間のトータルリターンなどといった短期と中長期の運用成績は知っておくと良いです。
純資産総額
金融商品にどのくらい資産を持っているかを示します。
純資産総額が低いと運用に支障が出る可能性もあるため、純資産総額は少なくとも100億以上持っている所を選ぶことをおすすめします。
金融商品(銘柄)の紹介
投資信託には多くの銘柄があり、楽天証券、SBI証券、三菱UFJ国際投信などの会社から様々の金融商品(銘柄)を用意しています。
ここではリスクと運用コストを抑えるため、人気のインデックスファンドをご紹介します。インデックスファンドは主に株式に投資していますが、日本、米国、先進国、新興国、全世界などどこに投資しているのか見て選ぶと良いかと思います。
*2022年6月現在の情報です
【eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリ―)】
全世界に分散投資している金融商品です。日本、先進国、新興国、これ一つで全世界の株式に投資ができるのに運用コストも低くお勧めです。
どこかの地域で経済の暴落が起こっても、他でカバーできれば損することもなくリスクは抑えられます。ただリターンがやや少なめなのでローリスク・ローリターンを希望する方には最適と言えるでしょう。
純資産額 | 5641.99億 |
トータルリターン(1年) | 10.48% |
信託報酬 | 0.1144% |
【eMAXIS Slim米国株】
S&P指数に連動(米国の代表的な500銘柄)した金融商品で、アメリカの500の企業へ分散投資しています。投資先がアメリカのみに限定されているため、アメリカ経済の暴落が起こった際には一気に下落してしまうリスクがあります。ですがここ約30年ほどずっと右肩上がりのアメリカ経済なので利益は大きく見込めるためおすすめです。ちなみにつみたてNISAではこの商品が毎年上位にくるくらい人気の商品です。
純資産額 | 12684.23億 |
トータルリターン(1年) | 17.59% |
信託報酬 | 0.0968% |
【SBIバンガードS&Pインデックスファンド】
こちらもS&P指数に連動(米国の代表的な500銘柄)していて、上記のeMAXIS Slim米国株とほぼ同じ商品です。
信託報酬がほんのわずかにこちらのほうが低く設定されています。
純資産額 | 5865.37億 |
トータルリターン(1年) | 16.69% |
信託報酬 | 0.0938% |
【楽天・全世界株式インデックスファンド】
FTSEグローバルオールキャンプインデックスに連動(全世界の株式、大~小型株)している商品です。
FTSEグローバルオールキャンプインデックスとは全世界の全ての株価の動きを表している株価指数のことで、その変動に合わせた投資成果を目指す金融商品です。全世界の株式に分散投資しているのでローリスク商品と言えるでしょう。
純資産額 | 1851.34億 |
トータルリターン(1年) | 8.87% |
信託報酬 | 0.202% |
【SBI全世界株式インデックスファンド(VTI)】
FTSEグローバルオールキャンプインデックスに連動(全世界の株式、大~小型株)している商品で、上記の楽天・全世界株式インデックスファンドと同じような商品です。
純資産額や信託報酬に違いがあるのでそのあたりを考慮して選択すると良いでしょう。
純資産額 | 618億 |
トータルリターン(1年) | 7.93% |
信託報酬 | 0.1102% |
【eMAXIS Slim先進国インデックス】
MSCIコクサイインデックスに連動(全世界の株式、大~中型株)している商品です。
MSCIコクサイインデックスとは全世界の大型から中型の株価の動きを表している株価指数のことで、その変動に合わせた投資成果を目指す金融商品です。この商品は先進国の株式にのみ分散投資していることが特徴です。
純資産額 | 3377.99億 |
トータルリターン(1年) | 13.40% |
信託報酬 | 0.1023% |
【eMAXIS Slim全世界株式(日本除)】
MSCIコクサイインデックスに連動(全世界の株式、大~中型株)していて、上記のeMAXIS Slim先進国インデックスと同じような商品です。この商品は日本の株式は含まれていないのでそこが大きな違いでしょう。
純資産額 | 1478.80億 |
トータルリターン(1年) | 11.02% |
信託報酬 | 0.1144% |
【たわらノーロード先進国株式】
MSCIコクサイインデックスに連動(全世界の株式、大~中型株)していて、上記2つと同じような商品です。この商品は先進国株式に加え、新興国の株式も含んでいます。
純資産額 | 1990.29億 |
トータルリターン(1年) | 13.29% |
信託報酬 | 0.10989% |
投資信託の買い方
では最後に投資信託の金融商品の購入の際のポイントをいくつかご紹介します。
NISA口座か特定口座か
証券会社で口座開設をしますが、NISA口座で購入するか特定口座で購入するかを決めます。NISA口座ですと得られた利益は非課税ですが年間40万(もしくは120万)までと決まりがあります。特定口座ですと得られた利益に約20%の税金がかかりますが投資額の上限はありません。
まずはNISA口座で投資信託の金融商品を購入し、更に金融商品を購入したい場合に特定口座を使うと良いでしょう。
ドルコスト平均法での購入がおすすめ
ドルコスト平均法とは金融商品の定額購入法とも言い、一度に購入せず資金を分割して均等に定期的に継続して購入する方法です。
各金融商品に利益が出ていたりいまいちだったり景気によって左右され、良いタイミングで金融商品を購入するのはとても難しいです。ですがドルコスト平均法を考慮し、毎月決まった日に決まった額を定期的に長期的に購入する事で、景気の上下もプラスマイナスして結果リスクを減らせることができます。
投資信託はこういった購入方法もできる上、投資額も100円から可能なので気軽に始められます。
私も投資信託はNISA口座で1つの金融商品、特定口座で3つの金融商品を毎月購入しています。
クレジット払いにするとポイントが付く
投資信託の金融商品を上記のように毎月つみたて投資をする場合、支払い方法をクレジット払いで設定しておくと、月に5万円分までの支払いに対してポイントが付きます。楽天証券は楽天カード、SBI証券は三井住友カードでの支払いなど専用のクレジットカードでの支払いが必要です。
これらを「クレカ投資」と言いお得に投資ができるのでとてもおすすめです。これについての記事も書いていますので良かったら読んでみてください。
もし証券会社の口座開設が済んでいなければ、以下でおすすめの証券会社もご紹介しています。
まとめ
以上、投資信託について解説しました。
証券会社を選んで登録、投資先(銘柄)を選択したら、あとは毎月いくら投資するかあらかじめ決めて設定しておくだけで自動的に毎月投資してくれる便利な投資方法です。株価の上げ下げに振り回されることなく、数十年後には大きな利益になっている事と思います。おすすめの投資方法なのでぜひ始めてみてください。
*つみたてNISAについては別途解説していますので以下の記事へどうぞ。
*つみたてNISAの始め方についても書いています。